インターネット上で、「マイナンバー占い」が商標登録されていたことが話題になっています。
マイナンバー制度開始を間近に控えてトンデモ案件も準備が進んでいるようです(山本一郎)
記事によると、出願人は「株式会社日経ゴルフ」。いかにも日本経済新聞出版社と関係がありそうに見えますが、実際のところ何の関係性もありません。
恐らく、「名前とマイナンバーを入力すれば、あなたの運勢を占います」とでも謳う気だったのかもしれません。あまりにも稚拙な手段にも思えますが、実際に騙される人が居ないと言い切れないのも恐ろしいところです。
今回の「マイナンバー占い」に限らず、占いの形にかこつけて、名前、生年月日、所在地などを入力させ、個人情報を手に入れる、というのはネット上の占いサイトでよく見られる手段です。
本人にとっては大した情報だと感じていなくても、個人情報を喉から手が出るほど欲しい業者にとっては、重要な意味を持っています。
特に、マイナンバーは、法律により、その目的手段がはっきりと定められていますので、占いサイトで入力を求めた場合、これは明らかな法律違反行為になります。
しかし、マイナンバーに商業的価値を見出し、あの手この手で何とか手に入れられないかとする業者も少なくないようです。
筆者がたまたま発見したものでは、すでに削除済でしたが、マイナンバー法がカタカナと漢字で書かれていたサイトがありました。古くからある民法のような法律ならいざ知らず、最近出来たばかりのマイナンバー法がカタカナ表記であるはずがありません。今回の記事を書くに当たり、もう一度サイトを探してみましたが、発見することは出来ませんでした。一体どのような目的で利用するつもりだったのかは分かりませんが・・。
正しい法律文はこちら→行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年五月三十一日法律第二十七号)
仮にマイナンバーが不正に入手された場合、税務申告の還付金の受取先を勝手に変更されたり、年金を横取りされる恐れがあります。また、今後の利用拡大に伴い、勝手に戸籍内容を変更(偽装結婚に利用!?)されたり、あなた名義で借金(見覚えのない請求書が!?)されたり、知らない契約(犯罪用銀行口座開設に利用!?)をされたり、はたまた就労ビザが手に入らない外国人に利用されたりしてしまう恐れがあります。
諸外国における被害も深刻です。Trend Microの記事によると、なんと2015年2月での米国の被害規模は約8,000件、2014年1月での韓国の被害規模は約2,000万件にも上るそうです。
マイナンバー制度に伴うセキュリティの見直し(Trend Micro)
何度もお伝えしていますが、マイナンバーの利用範囲は現在のところ①社会保障②税③災害対策の3つの分野に限られています。他人ごとだと思わず、マイナンバー通知カードが家に届いたら、くれぐれも管理は厳重に(実印と同等か、それ以上に価値が有るものだと認識して下さい)、特に未成年者の方のナンバーについては親御様の十分な説明・管理を、どうぞよろしくおねがいします。